【東京校&大阪校】f4samurai様、講演会実施! CMO兼プロデューサー佐藤允紀氏が語る「世界に一番のワクワクを」スマホビジネス概論
『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』、『オルタンシア・サーガ -蒼の騎士団-』など、
人気スマホゲームの企画・開発・運営を行っている株式会社f4samurai様の講演会を実施しました。
本ブログでは講演会の一部内容をお届けします。
お招きしたのは、CMO兼プロデューサー佐藤允紀様です。
「今日はよろしくお願いします。講演タイトルは「世界に一番のワクワクを」スマホビジネス概論です。
今から話す内容は、新入社員研修後のOJT(※1)に入ったメンバーへのフォローアップ研修で話す内容です。
プロの開発者になったら聴ける話なので、今日はお得な気分になってもらいつつ、開発者人生を歩んでいく皆様が、親御さん含めて、将来を楽しみになるような話ができればと思います」とご挨拶。
ファシリテーターを務めるのは、ゲームアニメ専攻の講師・斎藤ゆうすけ講師。
「ここにいるみなさんはゲーム会社に就職することを意識していると思います。
今日お話しする内容は就活中でも就職後でもなかなか聞けないスマホゲームビジネス全体についてのお話です。
少し難しいお話しかもしれませんが、ビジネスを知った上で開発に関わるのとそうでないのでは学習の精度が変わってくると思っていますので是非みなさんに聞いてほしいです」とテーマについて解説しました。
オンライン講演会では、在校生、入学予定者など合計220名の方が参加されました。
※1 OJT……On-the-Job Trainingのこと。新人や未経験者に対して、実務を体験させながら仕事を覚えてもらう教育方法
佐藤様「2010年に設立された会社で、スマートフォン向けゲームの企画、開発、運営を行っています。
オフィスは秋葉原で、約150名のメンバーがいます。オリジナル企画・人気IP作品の両方を開発していて、受託ではなく企画から主体的にプロジェクトに関わってきました。
僕自身は、CMO兼プロデューサーで、ゲームを広めるマーケティング業務、ゲームを作るプロデューサー業務の両軸を担当しています。」
<f4samuraiタイトルの競争力とは?>
佐藤様「弊社作品の競争力として3つ意識していることがあります。
まずは先を見据えた設計による長期運営力。
次に、クリエイターの力を最大化させたIP創出力。
そして、ユーザーの想いに寄り添った体験の設計力です。
ゲームを運営し続けることは、常に改善と工夫が必要です。
自分たちだけでなく、外の協力会社さんや“先生“と呼ばれている原作者の方々と一緒になって作品を創ることを得意としつつ、客商売と申しますか、ユーザーがどのような体験や気持ちになるかを考えることにも長けている必要があります。
また、ゲーム内に留まらず、TVアニメの企画や「オルタシア・サーガ展」「オリジナルコラボカフェ」といったリアルイベントなど、「感動共有」の場を積極的に設計していたりもします。」
<f4samuraiが新作を企画する際に意識していること>
佐藤様「良いサービスを開発・提供するための手法として、『マーケットイン』、『プロダクトアウト』というアプローチがあります。
マーケットインとは、市場のニーズや競合状況を逆算して、勝てる場所で戦うことを言います。
ここで大事なのは、市場性を判断するのに、性別世代といったいわゆる“ユーザー属性”だけで考えた気にならないことです。
要は、年齢性別の違いが、あまりお客さまを理解することの物差しとして役にたたなくなっています。
ターゲットとなるユーザーは、何に対して感動したり、喜ばれたり、お金を払い、また払わないのか。
対象ユーザーの興味関心の強さ、深さと継続性、興味関心の源泉を理解したうえで、ようやくどのくらいの規模感に堪えられるプロジェクトなのかが推しはかれてきます。
また逆にプロダクトアウトというのは、自分たちの強みや得意なこと、体制や期間、かけられる工数、技術などから、つくるべきベスト作品はなにか、と発想することです。
開発から運営まで含めるとトータルで5、6年はかかります。
開発に関わるメンバーにとって長い期間、1つの作品に人生をかけることになるので、それら機会を慎重に考え抜くのが僕の役割だと思っています。
弊社もいろんな企業さまから、市場性を含めて良いお話をいただく機会も増えてきているのですが、そのプロジェクトに対して、お客さまが求められる付加価値を自分たちが乗せられるかどうか?それが僕らにしかできない仕事なら尚良しというのは我が儘かもしれないですが、大切な判断軸だと思います。
アプリ開発の失敗はあまたありますが、一番最悪なのは作っている自分たちが、最後の最後まで“面白くない “と心中思いながら突き進み、リリースされてしまうことです。
クリエイティブな世界は明確な正解がないですし、これまで述べたように、観点の違いで判断が全く違うように聞こえることがあります。
意見のぶつかり合いをするのは正常なことですし、なによりそれらも含めてワクワクしながら開発できることが開発者として幸せなんだと思います。」
国内スマホゲーム市場については……
・毎月1000億円を超える市場(Google Play、AppStore合算)
・2~3年で新規にサービスが投入できるスピード感も魅力
・いち個人の発想とアイデアがユーザーに影響を与えるクリエイティブな産業
であることを解説。さらに、
佐藤様「例えば、少年ジャンプの漫画作品が当然のごとくアニメ化、ゲーム化していくように、ユーザーが毎日接点をもつスマホゲームからIP展開が始まるといったことがより増えていくと良いなと思っています。」
と業界の展望を語りつつ、北米、中国、韓国それぞれの市場規模と特徴についても紹介し
「f4samuraiではサービスを海外に届けることを当たり前にしたいと思っています。」と締めくくりました。
<質疑応答>参加者たちからも、数多くの質問が寄せられました。
Q.学生時代から、やっておいたほうがいいことは?
「学生の時にしかできない経験や、時間があるうちに兎に角インプットを増やしておくことをおすすめします。 旅行はこの情勢だと難しいと思うのですが、ゲーム・マンガ・映画・アニメ・ドラマなどなんでも食わず嫌いなく吸収しておくと良いです。
自分とは異なる興味関心のユーザーに作品を届けていく機会は、プロになると当然訪れることも覚悟しなければなりません。」
Q.業界で求められるのは、どのような人材でしょうか?
「“求められる”という軸でいくと沢山のお客さんが求めているものを想像し形にすることができる人材だと思います。ただ、企業から求められることが全てではないというか、ユーザーのために自分がより良いものを作れる環境なのか会社を選んでやる!ぐらいの気概があっても良いとは思います。
佐藤様「非常に働きがいのある業界です。皆さんと一緒に働ける日を楽しみにしています」とメッセージを送りました。
佐藤様、お忙しい中ありがとうございました!
マーケットイン&プロダクトアウトの考え方、ゲームビジネスの基本、業界の市場規模まで、貴重なお話をうかがうことができました。
メンバーにとっては就職活動の糧に、入学検討者さんにとっては業界を理解する一助になったのではないでしょうか。
f4samurai様では2023年4月入社の新卒社員を募集しています。
こちらより応募(https://www.f4samurai.jp/)できます。