9月21日~9月24日まで幕張メッセにて「東京ゲームショウ2023」が開催され、バンタンゲームアカデミーでは、大学・専門学校が集結する「ゲームアカデミーコーナー」に東京校・名古屋校・大阪校のメンバーたちが制作する気鋭のゲームの7作品を出展しました。
集められたのは校内で制作された選りすぐりの作品ばかり。出展した作品についてはバンタンの特設ページでも紹介されているので、そちらも併せてご覧ください 。
https://www.vantan-game.com/special/tgs/
■ストライクウォーズ(東京校)
体感型ARゲームのストライクウォーズは、NHN PlayArtとの産学連携で制作された、エアホッケーのような形式のゲーム。卓上に映し出された画面の上に手をかざして相手の陣地に”魔法”を打ち込みます。
制作が佳境を迎えた9月はじめには、同社プロデューサーの林様からアドバイスをいただき、そこから細かな部分をブラッシュアップ。
例えば必殺技のモーションでは、力を溜めるようにあえてゆっくり表示させたり、得点したあとの切り替え時にも間を置くなど、プレイするユーザーがリアクションを取りやすいように改良したそうです。
ゲーム中には「今のうちだ!」「サンダードリフト!」といったキャラクターのかわいらしい声が会場内に響きましたが、本番では音声の演出も実装され、より本格的な仕上がりに。声優担当のメンバーからは「初めて自分の声がゲームに収録されました」とのコメントも。
■VRS:Virtual Remote Soldier(大阪校)
こちらはVR空間を歩けるKATVRの機器を使った産学連携のゲーム制作。
円形のマシンの上でプレイヤーが身体を動かしながら歩き回り、VR空間の施設内に設置されたマシンをガンで破壊していくシューティングゲームです。ガンコントローラーはStrikerVRの製品を使用。
この2つの機器を使ったゲームの制作メンバーを学校側が募集し、選ばれた各4人のエンジニア・グラフィッカーによって作られました。またこのゲームはプランナーなしで制作が進められたゲームでもあります。
大がかりなマシンはもちろんのこと、スクリーンに映し出されたビジュアルと、プレイヤーの躍動感のある動きが人目を惹くのか、周囲からは「すごいなー」「へぇこれ面白そう」という声も聞こえてきました。
そしてPCゲーム・スマホゲームとしては4作品(侠気・アイドルロード・カミゴロシ・RED MASK)が出展!
■侠気(名古屋校)
侠気(キョウキ)は、少数精鋭のメンバーが作った3Dアクションゲームです。この展示へ向けた校内コンペで選抜されたことにより、今回は唯一の名古屋校からの出展です。
プログラマーが「カッコいいゲームを作りたい」と話したことから始まり、そこからテーマを決めて、「和風」というジャンルに絞っていった、とプランナーの瀬口さん。
「誰でも遊べる」ということを意識し、学校スタッフの方やクラスメイトの反応も取り入れており、「攻撃スピードが早すぎる」「敵(AI)の攻撃力が強すぎて、すぐに死んでしまう」という意見に対しては、QTE(クイック・タイム・イベント)を独自で考え直すなどの改良を重ねた、とのことでした。
会場では「カッコいい!」「面白い」などといった率直な意見を聞くことができ、「クオリティが高い」と言われることもあったそうです。今後も発展の余地がうかがえそうです。
■アイドルロード(東京校)
アイドルロードは高瀬貫輔さん(ゲームプランナー専攻1年)を原案者とするゲームで、バンタンの「チーム制作」という週1・4コマの授業の中で、20人近くのメンバーたちの手によって開発されました。
「君は最高のアイドル!!」という設定で、主人公のアイドルがファンサービスを発動するとファンが幸せパワーで吹き飛んでいく、というユニークなアイデアのスマホゲームです。
昨年10月から制作がスタートし、今年1月頃に完成を迎えましたが、クオリティに優れていることから今回の出展を目指して、4〜6月にかけてブラッシュアップ。制作期間が比較的長い作品です。
とあるプログラマーのメンバーからは「チームの雰囲気が良かった」「仲が良く開発しやすかった」との声が。会場ではより多くの方に体験してもらおうと、ペンライトなども活用しながら元気良く呼び込みをしていました。
■カミゴロシ(東京校)
カミゴロシは、デザイナーとして河瀬理夏さん(ゲームグラフィッカー専攻2年)が発案した企画をゲームプログラマー科に持ち込んで形にした作品で、大正時代を舞台に「妖しい世界観」が表現されています。
この作品は第3回サイゲームスクリエイティブコンテストで受賞しており、事前評価も高いゲームです。
チームでは河瀬さんの思い描く世界を再現することに力を入れており、制作に携わったプログラマーは「その世界観が伝われば、プログラマーとしても嬉しい」と話し、モーションデザイナーは「キャラクターの性格をよく把握するなど、河瀬さんの理想へ近づけるようにして、それがうまく再現できた」と話していました。
ビジュアルにも優れた作品で、当日の会場ではお客さんの目にもよくとまっていたようです。
■RED MASK(東京校)
RED MASKは当初、「こだわり」というテーマが設定された日本ゲーム大賞へ応募するための作品。「カッコよさ」にこだわり、それをチームで作り上げた2D横スクロールのアクションゲームです。
全3ステージで構成されており、敵を倒しつつボスのもとへ向かっていく形です。途中で弾切れになると詰みになるため、考えながら進めていくことが求められます。
制作に携わったプログラマーによれば「ドット絵では企業が作ったゲームと見た目にも差が出にくい」。そして「映画っぽくダークヒーロー的なカッコよさがあり、雰囲気が好きな人にはすごくハマる」とも話しており、メンバーの力で作れる最大限の「こだわり」がそんなところに現れているのでしょう。
■病夢(大阪校)
病夢(やまいゆめ)は車いすで病院内を進んでいくVRホラーゲーム。今回の7作品の中でも唯一2ブースを使用しての出展となりました。同じクラスの4名が集まって構成されたチームで、意見を交わしながら制作を進めていったそうです。
ゴーグルを装着して車いすを操作し、全身を使って逃げるという体験をしてもらう、というゲームで、もともとは病院内を好きなように動けるような設定でしたが、出展のためにルートを絞ったとのこと。
さまざまな技術や面白い技術を学びながら積極的に取り入れるようにしたとのことで、メンバーのひとりは「VRゲームを制作したことや、東京ゲームショウに出展した実績は就活でもアピールできる」と話していました。
東京ゲームショウはバンタン生にとっては優れた作品の発表の場でもあります。
そして入学を検討している方から質問されると、それに対して丁寧に答えていたメンバーもおり、そうした様子も垣間見られました。来年はどんなゲームが登場するのか楽しみですね!