仕事の詳細
デザインの世界において、今やCGはゲーム、アニメ、映画、テレビ番組、CMなどの広告等、さまざまな場面で使われている。そうした場面で使われるCGを作成するのがCGデザイナー(グラフィックデザイナー)だ。
例えばゲーム業界での仕事を掘り下げて見ると、CGデザイナーはそのゲームの世界観を作り上げる大切な仕事になる。プランナーやディレクター、プロデューサーと連携を取ることが多く、世界観やコンセプトをしっかりとつかみ、それを2D/3D CGで表現していく。
CGデザイナーが担当するものは、ゲーム画面の背景、アイテム、エフェクト、アイコン、ユーザーインターフェイスと幅広い。予算の少ない小規模の作品であれば、キャラクターデザインを兼務することもある。
またゲーム業界のデザイナー職は、職種間の異動が多い。CGデザイナーとして経験や社内での信用を重ねた後に、キャラクターデザイナーとして起用されることもある。
使用するソフトウェアは会社によるがSAI、Illustrator、Photoshop、MAYAが一般的。そうしたソフトを使いこなせるようになってくといいだろう。ただ会社によっては「デザイン全般の能力の高さ」を見極めるため、HTMLやINDESIGNなど、WebサイトやDTPのデザインセンスも評価に加える会社もある。希望する会社があるのなら、その会社の傾向を早めにつかむといいだろう。
前述のとおり、CGデザインのスキルが生かせる仕事は、ゲーム業界のほか、広告や映像などのマスコミ業界、3DCGなら建築業界など幅広い。
キャリアステップと年収イメージ
例:ゲームCGデザイナー
1~2年目:デザイナー(見習い)
ゲーム業界の場合、会社ごとに必要なソフトウェアの習得のための研修が1年目に実施される。
その後、いくつかのプロジェクトに配置され、CGデザイナーだけではなく、デザイナー職全般のアシスタントとしてさまざまな現場作業を経験していく中で、自分の資質や技術力、適性を把握できるようになっていく。
年収イメージ : 300万円~400万円前後
3~5年目:CGデザイナー(メンバー)
プロジェクトに配置され、CGデザイナーとして本格的に現場作業に参加する。「自分が手掛けた」と実感できるものがそのまま作品に使用されるようになるため、責任も大きいが、その分やりがいや達成感も味わえる。
そのほか、新入社員や後輩の指導を任されるようになる。また、新人の採用審査(応募作品審査)に関わるようになる。人によっては、CG外注のディレクション業務も任されるようになる。
年収イメージ : 350万円~600万円前後
6~10年目:スペシャリスト or デザイナー(セクションリーダー)
プロジェクトを複数本手掛け、社内で「ベテラン」と呼ばれ始める。社内プレゼンに応募し、キャラクターデザイナーに転身する人も出てくる時期。主任や課長補佐などの管理職への打診が会社から出始めるが、スケジュールや人員配置などのマネジメント業務よりも実作業にこだわって断る人が多い。
自分が手掛けているCGデザインだけではなく、外注した作品に対してのディレクション業務の比重も多くなる。自分の仕事の進行についても、自分でマネジメントをするようになり、責任が増える。プロジェクトの進行状況や外注との連携のために勤務時間は不規則になっていく。そのため、コアタイムのない自由裁量制を取っているゲーム会社も多い。
仕事は大変になってくるが、その分、プロジェクトが完了したとき、作品中にクレジットされた自分の名前を見たときの充実感も大きくなっていく。
年収イメージ : 500万円~800万円前後
11年目以降:チーフデザイナー or アートディレクター or フリーランス
プロジェクトのアート全般を管理するアートディレクターやチーフディレクターに抜擢され、業界内はもちろん、一般のファンにも名前を知られるようになることも。実力によっての収入アップが大きな仕事であり、年収の幅も大きくなる。1つのプロジェクトが終わった後、一般企業ではとりにくい数週間の休暇を取る人もいる。
また、仕事の幅を広げるために、フリーランスになる人もいる。
年収イメージ : 800万円以上